2023/5/30
今日は件のハウスオーナーJillyと一緒に、郊外のホームセンターにハーブの苗を買いに行き、併設のカフェColombus Coffeeでコーヒーを飲んだ。Jilly(以下ジリー)は体調を崩し一週間寝込んだあとだったので、久々のお出かけに体がなまっているといいながらもワクワクしていた。特にジリーは日光が好きなため、久々に日光に当たれるということが嬉しいようだった。
前々からジリーは私にガーデニングを勧めていた。ある日私の部屋の横のテラスに、土を入れた植木鉢を「もし植物を育てたかったらこのポットを使っていいよ」と置いてくれていた。
もともと植物の世話をするのが得意なたちではなかったし、忙しさを言い訳に長いこと手を付けずにいたが、ちょうど前の仕事をやめ新しい仕事を始めるまで数週間休暇に入ったため、気分を変えるためにも、ジリーの提案にのって一緒に苗を見に行くことにした。
前々からもしなにか育てるならと、頭にあったのはセージだった。NZに来る前、日本の実家では一年ほどラベンダーとレモングラスを育てたことがあったから、こんどは違うハーブに挑戦したかった。ハーブは可愛らしいだけじゃなく様々な用途に使えるから、私が植物を育てるとしたらいつもハーブだ。セージは……、なんとなく、いいイメージがいつもあった。様々な効用があることは聞いていたほか、書いている小説のキャラクターにセイジという日本人の男が登場することもあり、また先のニューイヤーに友達がキャンドルとともにセージを焚いているのを見かけたりして(セージを焚くと浄化されるというスピリチュアルな言い伝えがあるらしい)、どんな植物なのか、育ててみたいという気持ちが膨らんでいた。
ホームセンターのスタッフにたずね、数種類のセージを見せてもらった。ジリーはパープルセージが好きだと言った。パープル色が好きだから。私はお茶にするのに一番ポピュラーなコモンセージの苗を購入することにした。ジリーは他にもみてみましょうと言って、オレガノを苗を手に取った。「オレガノを試したことがある?It’s quite nice. それで、あなたにミッションだけど、みんなが料理に使えるようにこれを二階のキッチン(ハウスメイトたちとの共用エリア)に置いておくから、週に一回水をあげてくれる?」と冗談めかして私にミッションを課してきたので、私は「Oh, oh…」と苦笑いした。結局まあそれくらいならやってもいいかと、彼女の仰せのままにすることにした。ジリーは「I want some color in my garden」と言ってすみれ(Violet)の花も買った。またもや紫色が好きだかららしい。
私たちは苗を持って、併設のカフェに入った。カウンターで注文しようとしたら、ジリーはバリスタである私に「Will you go behind the counter and serve me?」と言ったが、私はうまく理解できずにとりあえず「Yeah!」と返事したら「It’s a joke」と笑った。そういうことか。おちゃめな人だ。二つのシングルショットフラットホワイトとオレンジケーキを注文し、ここまで連れてきてくれた感謝もあってここは私が支払った。私がカードをマシンにかざすとジリーは「Oh will you get this?」私は「Yeah」と答える。自称コーヒー大使としてはCoffee is always on meと言いたい。すると後ほど「It’s my turn to pay」と言って、ハーブの苗を支払ってくれた。キュート。
テラス席でコーヒーを飲んだ。「私はインスタグラムで世界カフェ巡りのアカウントをやっているから写真を取っているの、if you don’t mind」とドリンクとケーキの写真を取っていると、ジリーは「You are funny, ◯◯(私の名前)」と爆笑しだした。「I wouldn’t be bothered to take photos of coffee」何はともあれ、つぼに入ってくれたみたいでよかった。
私はジリーに、以前断片的に話してくれた彼女の若い頃のライフヒストリーの続きをせがんだ。(突拍子もないこのライフヒストリーは後日別の記事にまとめることにする)
その後私達はビーチに立ち寄り、美しい陽の光の中砂浜を散歩した。今日は引き潮で、砂浜がいつもより遠くに広がっていた。ジリーは息子の嫁が実はNZのマオリの王の子孫だったことが最近わかったという興味深い話を聞かせてくれた。
帰り道、ジリーはまた晴れの日を寿ぎ、「ここのところ雨だったからどこかに旅行へ行きたいと思っていたのだけれど、on a day like this, why would I have to go anywhere else? It’s absolutely lovely」とスマイルした。
帰り道にスーパーマーケットに寄り、帰宅した。ジリーは自分では食べないからとオートミールやビスケットをくれたほか、私の植木鉢にコンポストを入れ、セージの苗を植えてくれた。
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